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zoom RSS 動物の代名詞での受け方と『モンスターズ・インク』

<<   作成日時 : 2007/11/16 01:32   >>

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リンガ・エスプレッソのヤスロウです。


私が日本で英語を学んだときには、動物に対して代名詞を使うときには、"he"や"she"ではなく、"it"を用いる、と習ったものです。しかし、これは正しくありません。まず間違いなく、その動物の実際の性に応じて(去勢されていても)、"he"ないし"she"で受けます。"It"がこのような状況で使われるのは、聞いたことがありません。性が分からない場合も通常"he"で受けます。あえて"it"で受けたなら、それはその対象をまるでもののように突き放して見ている、ということを強く示唆します。

ところで、Pixarの名作CG映画、Monsters, Inc.(邦題:「モンスターズ・インク」)をご覧になったことがありますか?この映画の中で、おおがらなモンスターのSulleyことJames P. Sullivan(声はBee Movieにも出演したJohn Goodman)は、人間の子供"Boo"を誤って彼らの世界に入れてしまい、それがこの話の発端になります。Sulleyは、仕事上のパートナーでルームメートでもあるMike Wazowski(「ゲゲゲの鬼太郎」の、目玉オヤジのようなモンスター)と、彼女の存在を隠そうと四苦八苦します。

"Boo"は人間の女の子ですが、モンスターの彼らにとっては、異世界の生物です。しかしSulleyは最初から彼女を"she"で呼びます。彼はすぐ"Boo"が無害であることを理解しますし、これは当然でしょう。一方、"Boo"を異世界から来た迷惑の種としか見ないMikeは、"it"でしか呼びません。

しかし話が進み、やがてMikeがSulleyと同じような考えになったところで、彼も"Boo"を"she"で呼び始めます。小さな変化ですが、これがMikeの心境の変化を端的に象徴しているのです。


YouTubeにMonsters, Inc.の本編からのビデオが上がっていましたので、確認してみました。

以下のクリップの6:34の時点でMikeは"It's coming! It's coming!"と言っています。7:19の時点でSulleyは"Mike, give her the bear."と言っています。私が確認した範囲で、これがSulleyが"Boo"を代名詞を使って指す最初の発言です。


さらに物語も佳境の以下のクリップの、2:38の時点において、Mikeが"Ok, here's the truth! You know the kid they're looking for? Sulley let her in."と、Mikeも"Boo"を"she"(の目的格の"her")で指しています。ただし、彼が彼女を"she"で指したのがここが最初かどうかまでは確認していません。


ついでですが、この映画には、その他、私が過去の記事で触れたことの具体例も豊富です。

『おぬし、やるな』」 で、「やるな」をどう表現するかについて述べましたが、以下のクリップの5:08あたりで、Sulleyは"Hey... you're good!"と言っています。

"Fun"」 では、"So fun."はありえるが、"So much fun."が無難、という趣旨のことを書きましたが、この映画中では、まさにこの"So fun."とSulleyが言います。どこでこの発言があったのか思い出せなかったので、残念ながらクリップをお見せすることは出来ません。見つけたら再度ご報告します。

なお上のクリップが削除されるのは時間の問題ですので、お早めにどうぞ。


私はこの映画を手放しで絶賛します。同じ映画を何度も見たくなることは滅多にありませんが、これは既に何度も見直しています。何度見ても毎回引き込まれます。CGが素晴らしいのはもちろんですが、この映画を名作にしているのはCGではなく、ストーリ・テリングの緻密さでしょう。登場人物・設定・状況、などなどに、全く無駄が見つけられません。考えに考え抜かれた結果なのでしょう。その緻密なストーリ・テリングに載せて、強烈なメッセージが届けられるわけですから、これで心を動かされないわけがありません。

まだの方は、是非ご覧になってください。いろいろバージョンがあるようですが、例えば、アマゾンでは、DVDのスペシャル・エディションがここにあります。ちなみにPixarの最新作、Ratatouille (邦題:「レミーのおいしいレストラン」)もお勧めです。

それにしても、もうちったぁまともな邦題付けられなかったんですかね…。「おいしいレストラン」ってなんじゃそりゃ。これじゃぁまるでやる気ないとしか…。ちなみに原題はフランス語で、「ラッタトゥーイ」と読みます。物語の大きな転換点で登場する料理の名前です。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
「モンスターズ・インク」は大好きな映画の一つ、毎回号泣します、もちろんDVDは持っていますし、すでに何回も見ていますが、・・気が付きませんでした、また新しい視点で、見ることが出来そうでわくわくします。「レミー・・」も観ましたが、原題が「ラッタトゥーイ」だったなんて、(*≧m≦*)感動です。有難うございました。
yellow
2007/11/16 09:18
いや〜、私もぐっときますよ。ほんとよく出来てます、この映画。もう、白旗振って降参状態です。

"Ratatouille"を物語りのキーとなる料理に選んだのは、ratの話だからでしょう。英語ならではの言葉遊びなので、そのまま邦題にはできないというのはわかるのですが…「おいしいレストラン」ってなんじゃそりゃ(まだ言ってる)。

主人公のRemy(ネズミ)とLinguini(人間)が、元々働いていたレストランを首になってから自分たちで始めたレストランの名前も Ratatouille のはずです。また映画を見る機会があったらご確認ください。
ヤスロウ
2007/11/16 09:39
レストランの名前覚えてますよ、「RATATOUILLE]そうでしたね。(おふくろの味に勝るものなし・・かと思ってました)
こちらでは、今日DVD発売です、早速手に入れる予定です。
yellow
2007/11/16 13:59
はじめてコメントさせていただきます。
モンスターズインク・・・大好きです!サリーの巨大ぬいぐるみを持ってるくらいです。。何度も観た映画なのに・・・・ここで問題提起されるまで全然気づかずにいました(恥)だから今回改めて「なるほど」と再確認ができました。予断ですが、今朝偶然主人と話していた内容がこれに似ていたので書かせていただきます。童謡(歌)で・・・It's sunny today,It's sunny today,the Sun is showing HIS face.....以下 cloudy,rainy と続きますが・・ここでSUN(太陽)がhis face....と男性扱いされているのがとても気になったんです。主人に聞いたら「んんんー」しか言ってくれなかったんですが・・・。(ネイティブなのに)。。。(・_・#)太陽は動物ではないですが、HEと表すことってあるんでしょうか?疑問に思いました。私個人としてはHisじゃなくてItsのほうがしっくりくる気がしたんですが・・・。予断のほうが長くなってしまいました。すみませんm(。_。)m
★ゆっこ★
2007/11/16 14:47
★ゆっこ★さん、初コメントどうもありがとうございます。これからもどしどしコメントお寄せください。

さて、生物ではないのに"he"や"she"で受けるものはあります。これは慣用ですので、理屈抜きにそういうものだと理解するしかないのではないでしょうか。

例えば、「国」「車」「船」(それの延長として「宇宙船」(spaceship)も)などは"she"で受けます。映画のPirates of the Caribbeanシリーズでは、the Black Pearlという船が出てきますが、これを"she"で受けているはずです。DVD等でご覧になる機会があったら、確かめてみてください。
ヤスロウ
2007/11/16 23:43

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