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リンガ・エスプレッソのヤスロウです。 今回はお約束どおり、前回の「これを見て泣いてください」の続編です。まずは前回のビデオ、すなわちBritain's Got Talentというイギリスの素人「のど喉慢」勝ち抜き番組で、いずれは優勝するPaul Pottsが最初に登場したときのビデオを再掲しておきます。 このいかにも朴訥な感じのするPaulですが、普通のアメリカ人がPaulの容姿を目にしたとき、最初に気になるのは何か想像がつきますか? — 答えは、彼の歯並びの悪さです。アメリカでは歯列矯正(orthodontics)が広く普及しており、永久歯が生え揃った10代に、歯列矯正用ブレース(brace)を装用することはよく行われています。漫画やアニメでも、10代の登場人物に、顔のそばかすとともに歯のブレースを与えることは一つのパターンになっています。 日本では歯列矯正は保険が適応されませんので、その金銭的余裕がなければ歯列矯正の恩恵を受けられません。そのため、芸能人のような人たちを除くと、歯並びの悪い人がアメリカよりはずっと多くいることになります。アメリカ人にとってはこれはまず目につくところらしく、日本のTV番組の一部をこちらで放映する際、歯並びの悪い素人が出ていたりすると、それについてコメントが入ることが多いのです。 アメリカでは、イギリス人は歯をあまり磨かない、あるいは、歯の治療が十分受けられず、歯並びが悪かったり、歯に問題を抱えている、ということになっています。これにいくらかでも真実があるかどうかは、アメリカ人自身も疑問に思っているようです。(例えば、Is There Actual Evidence That British Teeth Are Worse Than Anyone Else's?やWhy Is There A Stereotype That British People Have Bad Teeth?などをご参照あれ。)ただ、これを前提にしたジョークはよくあるので、ジョークを楽しむという見地からはこれは知っておくべき知識です。 のっけっから、いきなり文化面に話が進んでしまいましたが、せっかくですので、このクリップからいろいろ英語 —今回は米語じゃないですね— について学びましょう。 まず、前回「宿題」にしておいた、「鳥肌」。おわかりになったでしょうか?3:40の時点でAmandaが、"Unbelievable! I had goose pimples!"と言っていますね。というわけで答えは"goose pimples"です。実は私はこの表現を聞いたのははじめてでした。私が馴染んでいた表現は、明らかにこれのバリエーションの"goose bumps"です。アメリカではこちらを用いる方が多いのかもしれません。 ところで、日本語の「鳥肌」の直訳に相当する"chicken skin"は、英語としては誤りなのでしょうか?私も今回ちゃんと調べるまで知らなかったのですが、Wikipediaによると誤りではないようです。しかし、これは一般には知られている用法ではないと思うのです(これから聞いて回って確認します)。しかし、"chicken skin"でピンとこない、日本語を知らない人でも、説明を受ければ、なるほど、と納得するのではないでしょうか?このように世界のどこでもある物理的現象(この場合は、羽根をむしった後の鶏の肌に、ブツブツがたくさんあること)にもとづいた比喩表現というのは、直接的には通じなくても、説明すると納得してもらえるばかりか、興味深いと思ってもらえます。「目糞・耳糞・鼻糞」と同じですね。つまりこれも馬鹿話のネタになるということです。 イギリス英語という点でまず私にとって興味深かったのはやはり発音です。私はイギリス英語は苦手ですし、普段耳にすることもないので、なおさら新鮮な驚きがあります。 このクリップはPaulのパフォーマンスの審査の様子を捉えたものですので、審査員たちが、"Paul"と呼びかける場面がたくさんあります。かつて「英語の地域性」という記事を書いたときに、イギリス英語とアメリカ英語での"all"の発音の違いを例としてあげました。これがこのクリップでも非常によくわかるのではないでしょうか?あ、"Paul"の発音が、"all"の前に子音[p]をつけただけなのはいいですよね?2:20の時点でAmandaが、"Paul"と呼びかけていますが、この発音は実にイギリス英語的です。アメリカ英語に比較して、口があまりあいておらず(ただし口の中は上下に広がっている)、ずっと奥の方で発音されているのがはっきりわかるのではないかと思います。 "Judges"の発音(3:47)も面白いですね。文脈が与えられているからわかったようなもので、もしそうでなく、音単独で聞いたなら、よもや"judges"と言っているとは思わなかったと思います。 このクリップが面白いと思うのは、Paulのパフォーマンスを除くとわずか2分強にしかないのにもかかわらず、比喩表現が実に豊富に使われていることです。機会があれば、それについても書きたいと思います。それまで待てない人のために、トランスクリプトをつけておきます
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コメント&トラックバックありがとうございます。スクリプト大変参考になりました。こちらからお送りしたトラックバックが重複してしまいました。重複分は削除してください。 |
中村友一 2007/12/16 20:52 |
いえいえ、こちらこそ、どうもありがとうございます。こちらからもトラックバック送らせていただきました。 |
Yasuro 2007/12/16 20:54 |
私のブログにコメントありがとうございました。さっそく来てしまいました。 |
洋子 2008/01/29 07:07 |
洋子さん、わざわざコメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 |
ヤスロウ 2008/01/29 10:47 |
3:00 Amanda:headではなくhere |
バタカップ 2008/05/22 04:05 |
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