リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記

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zoom RSS 発音上達法

<<   作成日時 : 2008/05/18 10:42   >>

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リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

あろうことか前回から3週間も間があいてしまいました。白状すると、特にここ2週間ほど腑抜けになってました。

振り返ってみるとこの三月末に大きなイベントが重なり、それをようやく切り抜けたかと思いきや、キッズ・イングリッシュの提携話があり、なかなか息が抜けませんでした。ところが、なんとこれが結果的にはポシャってしまいました。振り返ってみるといろんな点で考えが甘かったですね。いい経験になったとは思いますし、ホールセール・プログラムのテンプレートができたのは収穫ですが、やはり正直かなり意気消沈しました。相当力を入れていたので。しかも、それとはまた別に、講師たちの状況が変わったため急遽講師を新規に募集しなくてはならなくなって、今度はそれにまたかなり時間を割かなくてはならなくなりました(ちなみに、これはこれで興味深い話があるので、またこれについて別途記事を書きます)。

これら出来事はこういったスクールを運営する上で、大局的に見れば普通のことなのでしょうが、私の目には、日々起こる火事をおたおたと消して回るだけの毎日に思えてきて、やる気が失せました。もちろん、やる気が失せると、その分生産性も落ちれば仕事量も落ちるので、事態はますます悪くなるだけなのですが。落ち込むだけ落ち込んで、ようやく回復してきたところです。

ただ、その間も、リナ講師が精力的にブログに新しい記事を次々と公開してくれていたのが救いでした。これらについてもいろいろとコメントしたいことはあるのですが、またの機会に取っておきましょう。


さて、近況報告はこれくらいにして、今回は英語を学ぶ上での大きな障害の一つ、正しい発音の学び方について書きたいと思います。

リンガ・エスプレッソでは、生徒さん一人ずつにネィティブ・スピーカの講師一人をアサインし、この講師がその生徒さんの成長に責任を取る形を取っています(いろいろな講師から自由にレッスンが取ることができるような、いわゆる「教習所方式」を採用していないのは以前ご説明した通りです)。ただし、発音の初歩から叩いた方がよさそうな場合は、私が英語の音素について一通りレッスンを行います。

そうやってたくさんの生徒さんに教えてきた経験から、皆さんがなかなか正しい発音ができない理由がいくつか私の頭に浮かぶのですが、その中で最大のものは何か想像がつきますか?

答えは実にあっけなくて、単純な知識の欠如です。正しい知識がなければ、正しい発音ができない — そんな馬鹿馬鹿しいほど当たり前なことが、多くの人が正しい発音ができない理由になっているのです。

個々の音素がどのように発声されるか、また我々に似通って聞こえる音素間にどのような違いがあるか、ということを理解できていなければ、当たり前ですが正しい発音はできません。これらは、義務教育を含めて英語を長年学んだ我々にとって基礎的知識のはずですが、驚くほど多くの人がきちんと理解していないのです。


では二番目は何かというと、自分の口の開き方、舌の位置、などなどがどのように自分の発声に影響を与えるのか、という発声のメカニズムを経験を通じて体得できていないことです。

我々は、母国語の日本語についてはこういったことは意識の上で理解していません。大人として英語を学ぶ場合、これを意識の上で理解し、最終的には自在に操れるようになる必要があります。ちなみに、声楽を学んだ人や俳優になる勉強をした経験のある人は、こういったことを意識する訓練を受けているはずで、それは英語の発音習得の面でも非常に有利に働くはずです。

例えば、[ɑ]という音素(IE 6/Winでは左記の発音記号が正しく表示されませんが、Firefox 2/Winでは大丈夫です)は、アメリカ英語では"hot", "not", "dot"といった単語のでおなじみの母音ですが、これは縦に大きく口を開かないと正しい音になりません。「縦に指が2本入るほど」と説明されていますが、これを実際やってご覧になればわかるように、日本語を喋るときにはありえないほど大きく開く必要があります。「縦に大きく口を広げなければならない」という知識を持つということは大事な第一歩ですが、そこから、それを正しく行ったときにどう感じられるかというのを体感し、それを実際に自力でできるようになるまでには大きな隔たりがあるのです。

こういった例はいくらでもあり、"apple", "cat", などの単語に現われる母音の[æ]もその顕著な例です。これは日本語の感覚ではかなり「イヤラシイ」、「ハシタナイ」感じの音です。ですので、我々は無意識のうちにイヤラシくない範囲で発音しようとしてしまいがちです。しかしそれでは英語として正しい音にはなりません。さきほどの[ɑ]も同様で、口を大きく開けなくてはならないことはわかってても、日本語として大きい程度に開けているうちは、正しい音になりません。


一番目とも二番目とも完全には切り離せないのですが、もう一点挙げるとするなら、日本人に似通って聞こえる音素間で区別するときの聴きどころがわかってないことです。

例えば[ou]という二重母音と、[ɔ:]という長母音は、どちらも我々にとっては「オー」と聞こえ、混同しがちなペアです。例としては, "boat" / "bought", "row" / "raw" などがありますね。

これはもちろん、それぞれの発音のしかたを教えてもよいのですが、それだけでは不十分なのです。区別するときに、何が音の上で本質的な違いないのかを理解していることが大事になります。この例だと、母音の途中で口がすっとすぼまるのが聞こえれば、二重母音[ou]で、そうではなく、最初から大きく口が開いてそれが途中で閉じたりせず開きっぱなしであることが聞こえれば、長母音[ɔ:]なのです。これがきっちり理解できれば、聴き分けもできれば、自分で区別して発音することもできるようになります。

上の段落で、口の動きが「聞こえる」というふうに書きましたが、これができるようになるうえで、2番目に挙げた訓練が必要になってきます。


私個人としては、発音は、英語のさまざまな側面の中でも教えやすく、かつ効果が出やすいところだと思っています。きっちり教えると、飲み込みの早い人で二週間ほどの間に顕著な改善が見られます。最初はコテコテの日本人訛りの方も、1ヶ月ほどの期間中に、少なくとも単語単位での発音では、場合によってはネィティブ・スピーカと比較して遜色なく聞こえるほど、見違えるほどよくなります。

また、面白いことに加速度的に上達のスピードが上がることが共通して見られる現象です。これはおそらく、特に2番目、3番目の点について知識と経験が深まるにつれ、発音の勘所がわかってくるからだと考えています。元々発音についての知識がない人ほど、その分上達のスピード向上が顕著です。

私は特に特別なことをやっているつもりはありません。上の述べたような、当たり前のことを当たり前のように、ただしきちんと丁寧に、やっているだけなのです。それでもしっかり成果は出ます。 だいたい、リンガ・エスプレッソ全般について言えるのですが、我々のやっていることに本当の意味での新規性はどこにもないと思っています。私が当たり前だと考えることを淡々とやっているだけです。

ただ、発音記号をきちんと教えることは有意義だと思っています。とかく我々は、カタカナ表記に引きずられてしまいますが、発音記号を見て発音するように訓練すると、その望ましくない癖から逃れられるようになります。また、日本人がやりがちな、子音間に不要な母音を入れてしまうといった問題や、不必要な巻き舌音を入れてしまうという問題も、発音記号を使って目でわかる形で表記すると、何が起こっているのか理解でき、そこから改善していくことが可能になるようです。


ところで、これらの問題は、独力で克服できるものでしょうか?可能性の次元で答えるのなら答えはもちろんYesです。ただし、1番目の問題はまだしも、2番目、3番目の問題については、きちんと指導できる人からフィードバックをしつこく受けることができれば、画期的に効率が上がることは間違いありません。一般的に英語は独学で学ぶべきか、については過去に記事を書きました。


今までの話は音素レベルの話ですが、それより大きなブロック、つまり文レベルでのリズムの作り方、あるいはイントネーションについても、あるいは速い発話での音の変化についても同様なことがいえます。つまり、系統的に学ぶ方法はあり、それをきちんとこなすだけで、しっかり成果は得られる、ということです。

英語の発音を訓練することに対して、「もう歳だからどうせできない」という人がいますが、そんなことは全くありません。きちんとやればきちんと上達します。少なくともたかだか40代でそのような根拠もなく否定的なことは言わないでください。今も一人そういう年代の生徒さんを教えていますが、順調に力を伸ばしておられます。ご本人は、「これをもっと早くやっていればよかった!」とおっしゃってますが。

さて、正しい発音のしかたを学ぶことは、聴解力を伸ばすという点でも重要です。聴解力の伸ばし方については過去に記事を書きました。


今回はMixiの英語関係のコミュに投稿した記事を元に大幅に加筆しました。最近、「聞くだけ」という英語教材が流行っているようですが、それの是非についても近々記事を書きたいと思います。

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内 容 ニックネーム/日時
おっしゃる通りだと思います。僕は日本の大学で(きれいな先輩の多い)英語を勉強するサークルに入っていました。そこでは新入生は暗記スピーチコンテストに全員参加させられるのですが、単語全ての下に発音記号が書いてある原稿を渡され、各新入生に先輩がつき、一対一で発音やイントネーションを練習します。すごくためになりました。

>>「聞くだけ」という英語教材が流行っているようですが、それの是非についても近々記事を書きたいと思います。

これ、楽しみにしています。
こういち
2008/05/18 13:45

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