リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記

アクセスカウンタ

zoom RSS 米大統領選とポップ・カルチャー

<<   作成日時 : 2008/11/04 06:47   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 2

リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

ここシアトルでは冬の天候がそろそろ本格化してきました。かつてこのブログでも以前、「シアトルに冬来たりなば」という記事でお話したこともありますが、シアトルの冬は本当に陰鬱で、多くの人が鬱になります。そうならないよう気を引き締めているところです。


さて、米大統領選がいよいよ明日です。テレビでは、ここぞとばかりに両陣営のコマーシャルがひっきりなしのように流れています。しかも、ここワシントン州では州知事や州司法長官 (attorney general) 、さらには連邦議会下院議員の選挙も合わせて行われるため、それらのコマーシャルも同様に流れています。しかも、これらコマーシャルは、いわゆるnegative ads、つまり政敵のあることないことにつけてあげつらうものが大半です。これらは視聴者の恐怖心に訴えかけるものであり、こういったものをひっきりなしに見せつけられれば気が滅入ってくるのも想像に難くないでしょう。

そういうわけで、多くの人が、もううんざり、と思っていることは、統計にも出ています。残念ながら出典を確かめられませんでしたが、最後のディベートの後で、既に「もう十分」と思っている人は、6割を超えていたように思います。


2000年のゴア氏対ブッシュ氏の大統領選の顛末を覚えている人は、今度の選挙でもそういう問題が起きないか危惧する人が多いでしょう。実際、Time誌北米版の最新号の一つ前の号(2008年11月3日号)のカバーストーリーが、"7 Things That Could Go Wrong on Election Day"(「選挙日に問題になりそうな7つのこと」)であったくらいです。もちろん、その号では前回の記事で触れたBradley effectについても触れています。ただし、その「7つ」の一つではありません。


この記事は選挙前の最後の記事になると思いますが、今回は大統領選とアメリカのポップ・カルチャーとの関連についてお話したいと思います。

まず、アメリカ人にとって政治は日本人よりもずっと身近です。日本のお笑い番組で、政治家が題材になることはあまりないかと思いますが、アメリカの番組、特にトーク・ショーではほぼ毎回ホストが何かしら話題に取り上げます。政治家もそういった番組の影響力が無視できない程大きなものだということを認識しており、積極的に自分に有利になるよう利用しようとします。

こういった話でまずアメリカ人の頭に思い浮かぶのが元大統領Bill Clintonです。彼はサックス奏者なのですが、1992年にコメディアンArsenio Hallが司会を務める、当時のヒットショーのThe Arsenio Hall Showに出演し、サックス演奏を披露しました。これが彼の人気を高めるのに貢献したと広く信じられています。彼は同年大統領に当選しました。頑張って探したのですが、このときのビデオは見つけられませんでした。

ちなみに、Arsenio Hallですが、最近はとんと鳴かず飛ばずですね。そもそも、彼はあまり日本では知られてないと思いますが、1988年のEddie Murphy主演の映画Coming to Americaにも準主役で出ていたので、覚えている人もいるかもしれません(下にトレーラーを載せておきます)。一時代を築いた人と言ってよいと思うのですが。こういう人を、(キツイ言い方ですが)"has-been" ということがあります。名詞です。Eddie Murphyが、かつてほどの勢いはないにしろ、ShrekシリーズでDonkey役などでいまだに頑張っていることを考えると惜しい気がします。



エンターテイナーの中で、今回の大統領選でもっとも恩恵を受けたのは、何と言ってもTina Feyでしょう。「『日常会話はできるけれどニュース番組は苦手』」でも書きましたが、McCain氏がSarah Palin氏を自分の"running mate" (つまり、副大統領候補)として選んだときに、見事なSarah Palin氏の物真似をやってのけて、世間を感嘆させました。物真似のうまい芸人はいますが、彼女のPalin氏の物真似は明らかに別次元でした。

彼女は、Saturday Night Live (SNL)の元レギュラーです。SNLは、その名の通り土曜日深夜に放映される90分枠の有名コメディー番組で、30年余の歴史がある長寿番組です。コメディアンの登竜門としての役目を担っており、ここからメジャーになっていったコメディアンはたくさんいます。上に挙げたEddie Murphyもその一人です。そのほか、Bill Murray, Billy Crystal, Mike Myers, Dan Aykroydなどなど。

Tinaの物真似を喜んだのは、本人だけではありません。SNLを放送しているネットワークのNBCもそれを大喜びでそれを活用しました。TinaをSNLに何度も呼び戻したり、さらに本来はSNLの一部のコーナー(英語では "segment")のWeekend Updateを、SNL本体とは別に、木曜日に30分枠で放送するようになりました。さらに、同局の深夜トークショーのLate Night with Conan O'BrienにもTinaを何度も出演させました。実は、この番組のホストのConan O'Brien氏はSNLの"writer" (脚本家)でもあった人ですので、そういうコネクションも効いたのかも知れません。

Tinaは大忙しだったわけですが、彼女にとってもこれは好都合だったはずです。彼女は、NBCで自分のコメディー・ドラマ(sitcom)の番組30 Rockを持っており、これのプロモーションにもなったからです。そもそも、彼女がSNLのレギュラーの座から降りたのは、この番組を制作するためでした。


政治家たちもSNLでジョークのネタになるだけで済ませるわけがありません。積極的に番組に登場して自分の人気に結びつけようとします。民主党の指名争いでObama氏に敗れる前のHilary Clinton氏も登場しました。また、Palin氏も登場しました。



最初に登場するのは、Palin氏の真似をするTinaです。しかし、残り2'40"の時点からPailn氏本人が登場します。30 Rockも触れられます。そして、30 RockでTinaと主演を演じるAlec Baldwinが登場し、Palin氏をTinaだと勘違いします。

11月2日の選挙前の最後の土曜日のSNLにはついにMcCain本人も登場しました。


残り2'45"の時点で登場するブロンドの女性は、McCain氏の本物の奥さんのCindyさんです。

残り2'の時点でMcCainが"pork"が云々と言い出しますが、これは「豚肉」という意味ではなく(それにかけてナイフが出てくるわけですが)、「政府の助成金」の意味です。連邦議会の議員は自分の選挙区の人たちの支持を得るために、"pork"を取ろうと奔走するわけですが、McCain氏はこれを抑制しようとしていました。そのことを元にしたジョークです。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
オバマ新米大統領誕生
リンガ・エスプレッソのヤスロウです。こちらは完全にシアトル独特の冬の天候になってしまいました。高緯度だけあってそもそも日の出ている(はず)の時間が短い上に、毎日雨が降るかそうでなくても曇り空。そのため外にジョギングに出ようとすると、夕方五時前に出ないと、街灯のないところでは暗くてよく道が見えなくなってしまいます。昨晩など、雨の中無理押しして走りに出たら、道がよく見えなくて水溜りに思いっきり踏み込んでしまい、頭の先からつま先までびしょびしょになってしまいました。 さて、皆さんご存知の通り1... ...続きを見る
リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記
2008/11/13 06:32
NBC系列の深夜TVトーク番組
リンガ・エスプレッソのヤスロウです。実はちょっと今落ち込んでいます。その昔、カナダのバンクーバにワーキング・ホリデーで半年住んだことがあるのですが、そのとき就いた四つの仕事の一つがレストラン・チェーンThe Kegでの皿洗いと、その後昇進して片付け(bussing)でした。当時のボスがその後家族とビクトリアに移って住んでいたのですが、つい先日亡くなったというニュースを奥さんから受けましたからです。死因はまだわかっていません。ボスといっても実は私より一つ若く、当時22歳だったはずです。その歳... ...続きを見る
リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記
2009/01/31 07:29

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おお、これ職場の人から聞いてて、見たかったんです! UPありがとうございます。
Reiko
2008/11/05 13:10
コメントどうもありがとうございます。楽しんで頂ければよかったです。

ところで、たった今、CBSがオバマが大統領として当選すると報告しましたね。ほっとしてます。
ヤスロウ
2008/11/05 13:13

コメントする help

ニックネーム
本 文
米大統領選とポップ・カルチャー リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる