講師のリクルーティング その3

リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

ここシアトルではやっと雪が消えて、生活が平常に戻ってきた感じです。ほっとしてます。

来年1月17日リナ講師によるライティング・コースの初回を控えていて、やきもきしています。初回はどなたも参加無料ですので、興味がある方はお友達も誘って奮って参加して頂きたいと思います。

これに関して、リナ本人が、自分のブログに"Learn to Write Right Now!"という記事を出しています。彼女自身にとって、ライティングがどういう意味があるのか、そしてそれに関してどのようなことを今までやってきたのか、といったことについて書いています。よろしかったらご覧下さい。


さて、我々の講師のリクルーティングに関して、その1その2、と書いてきましたが、今回はその3です。


もうお忘れになった方もいらっしゃるでしょうから再度申し上げますと、この記事を書こうと思ったのは、そもそも、カフェ英会話のはしりとされる某社の講師採用基準を見たのがきっかけでした。

その1では、この某社では、「日本での教務経験が6ヶ月以上あること」を求めるのに対し、我々はそのようなことには頓着しないことを述べました。もう一点、この某社では求めているようでありながら、我々が求めていないことがあります。それは、講師自身にカリキュラムが組めるだけの能力があることです。この「カリキュラム」ですが、我々は「レッスン・プラン」と呼んでいますので、以下それで統一します。

「求めているようであり…」、と、歯切れが悪いのは、はっきりしたところが分からなかったからです。ウェブサイトに掲示されている情報を見る限り、某社があらかじめ用意しているコースについてのみ社側からレッスン・プランが提示され、それ以外は講師の裁量によるように読めました。ですが、確信がありません。これについて情報があれば、是非コメントでお寄せください。

これは、リンガ・エスプレッソでは私が基本的にその役目を担っているからです。もちろん、我々のネイティブ・スピーカの講師は皆TESOLの免状所持者であり、リンガ・エスプレッソやそれ以外で外国人に英語を教えた経験を豊富に持っていますから、彼ら自身にもレッスン・プランを組むだけの資質はあります。しかし、リンガ・エスプレッソでは私がイニシャティブを取り、講師に意見があればそれも参考にしつつ、生徒さんの希望も鑑みながら最終的な決定を下します。

レッスンの回を重ね、講師がより生徒さんのことを分かってきた段階で、講師からの意見によりレッスン・プランを変更することもあります。そもそも、レッスン・プランというものは生徒さんの成長に応じて随時変えていくべきものですので、それはむしろ自然なことだと思っています。

私は、講師にレッスン・プランを組むことを独力でやれることを期待するのは要求が高すぎるように思います。例えば、仮にどういったレッスン内容が必要かが明らかだとしても、それを行うための道具となるテキスト選定は決して容易ではありません。テキストのよしあしは生徒さんの成長スピードを大幅に左右しかねないので、疎かにできません。しかも、選定には生徒さんの個人的嗜好や志向性を加味する必要があります。私は場合によっては二週間ほどテキストのリサーチと選定に時間をかけることもありますが、これは専任スタッフだからできることで、これを講師に期待するのは(おそらくその分のペイはないでしょうから)負担が高すぎるように思います。生徒がたくさんいるクラスでは、レベルがある程度ばらけているのはいかんともし難い現実、ということを「言い訳」に、大雑把なレッスン・プランでもよいとしても、プライベート・レッスンをするのであれば、そこは個々人のニーズに完全に合わせてチューニングしたいところです。

ちなみに、「カフェ英会話では、自分の好きなようにレッスン内容をデザインできるのがよい」、という意見をチラホラ見かけました。これは、おそらく、既製コースしか用意していない巷の英会話学校と比較してのことだと思われます。確かに自由度があるのは大きな利点でしょう。

それでも、生徒さん自身がいいと思っていることと、客観的に見て実際に役に立つと思われることは、往々にして一致しない、という事実はしっかり認識する必要があります。典型的な例として、「ともかく話していれば上達する」と広く信じられているにも関わらず、多くの人が、そのようなレベルには達しておらず、そんなことよりもきちんとドリルを数こなした方が確実に速く上達できる、ということが挙げられます。

そういった誤解があったときに、教える側がそれを指摘してくれるか、というのも大事な点ではないでしょうか。そうでないと、「自分が望んでいる内容のレッスンは受けられたけれど結局上達しない」、という結果になりかねません。

リンガ・エスプレッソでは、そのような誤解をされている生徒さんには必ずそのように伝えます。もちろん、最終的決断は生徒さんご本人に委ねますが。かつて別記事にも書きましたが、勉強法をきちんと学ぶこともスピーディーな上達のために重要なステップです。


ところで、この某社のリクルーティング担当スタッフは、書類審査で何を見るか、について、あっさりと最初に「国籍」を挙げています。日本の方は特に何も思わないかもしれませんが、これはアメリカ事情に慣れた人には、あっと驚くようなことです。なぜなら、アメリカでは、職の性質上それが本質的に必要でない限り、国籍は問うてはならないからです(厳密には、問うことはできるが、志望者に答える義務はない)。うかつにそのようなことをすれば、訴えられますのでおおごとです。これは、性や人種、年齢、未婚・既婚・離婚の別 (marital status)、についても同様です。

実際、聞いたことのない国で生まれその国の国籍を持っていても、アメリカで幼少から育って英語に関してネイティブ・スピーカ相当の人はいくらでもいますから、その意味でも国籍を問うのはナンセンスです。そういう意味でも我々はそんなことは聞きません。


このリクルーティングに関するシリーズ、まだ続きます。次回は、「その4」、ですね。お楽しみに。


さて、この記事が今年最後の記事になりそうです。皆さんにとって、2008年は振り返ってみて、いかがだったでしょうか?私の場合、この仕事に関しては、実は年半ばに大きなトラブルがあったのですが、最終的に信頼できる講師陣が得られたのが最大の収穫だったと思っています。私はもともとあまり大きくする気はないのですが、来年はもう少しだけ大きくしたいと思っています。読者の皆さんのお力添えをお願いしたいと思います。

それでは皆さん、よいお年をお迎えください!

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この記事へのコメント

こういち
2008年12月31日 07:34
今年はいろいろとお世話になりました。
アメリカ人女性との会話が課題である僕のような生徒が個人レッスンを受ける場合は、やはり教科書は「Playboy Magazine」とか「Elle」になったりするんでしょうか。
2008年12月31日 08:10
いえいえ、こちらこそお世話になりました。

それにしてもこういちさん、相変わらずですね。:) 実は、デーティングに特化したミニコースを開設しようか、という話はあるんです。有料になりますけど。あったら、こういちさん取ります?

どうして"Playboy Magazine"とか"Elle"なのか首をひねらずにはおられませんが…。女性心を知りたければ、 "O" がいいかもしれませんよ。個人的には"O"を定期購読しているような人は避けますけどね。
こういち
2008年12月31日 08:48
デーティングに特化したコース、すごく興味ありますね。
アメリカでのデートの流れ、よくあるダイアログ、そして男女の考えの差+日本とアメリカの文化の差という二重の壁をどう乗り越えていくのか?クラスでのディスカッションやケーススタディも交えて、みたいな感じですか?うーん。すごく興味あります。
留学生ディスカウント+古い車に乗ってる学生ディスカウントとかないですか?昨日$900も修理にかかったんです...。
2008年12月31日 10:01
こういちさんに実際にアメリカ人女性に声をかけてもらって、その成果を発表してもらう…それ、かなりいいかもしれませんね。(^^)

冗談抜きに、そうすると、こういちさんにも言い訳ができるので、win-win かも!?
こういち
2008年12月31日 16:08
↑それ、いいっすね!!
れいこ
2009年01月02日 07:38
あけましておめでとうございます
今年もよろしくおねがいします。

何やら盛り上がってますね。 "O"は女性心というよりおばはん心ですかねー 女の私でも'O'購読者は苦手です。
2009年01月02日 07:43
あけましておめでとうございます。こちらこそどうぞよろしくお願いします、れいこさん。

ああ、そうだ、もしこういうコースをするのなら、れいこさんの、経験に裏打ちされた (^^) ご意見を伺わないといけませんね。

"O"を定期購読しているような人は、人に自分の人生を決めてもらうことを好む人ですから、変な下心がなければ、やっぱり避けますよね~。

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