講師のリクルーティング その5

リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

昨年末の劇的な天候はどこへやら、ここシアトルでは最近は冷え込むことがあるとはいえ、雪が降ったり雨が降ったりすることもなく、落ち着いた天候が続いています。

また、日が長くなってきたことも実感しています。私のジョギング・ルートの一部は森の中(ただし舗装路)なのですが、以前は午後4時過ぎにうちを出ても、その森の中を走る頃には、日もとっぷり暮れて道もよく見えず、鳥の声を聞くことはなかったのです。ですが、今日(こちらの24日)同じルートで走ったときには、曇天ではありましたが以前よりは明るく、まばらではありましたが鳥のさえずりも聞こえました。春の兆しでしょうか。

昨日の「ゆるゆる勉強会」ですが、全く想定外の技術的トラブルに足元をすくわれました。参加者の皆さんには、私の声がなぜか、スロー再生しているかのように聞こえたらしく、やむをえず私はひたすら文字でチャットして参加することとなりました。なぜそのようなことになったか、いまだに分かっていません。話すことができなかったため、私が提供できる情報量が自然と限られてしまい、その点を残念でしたが、それを除くと大成功と言ってよいと思います。企画から広報、そして、当日のホストまでこなしてくださった生徒さんお二方には、ここでお礼を申し上げたいと思います。


さて、我々の講師のリクルーティングに関して、その1その2その3その4と書いてきましたが、今回はその5です。


前回もお話した通り、我々の講師リクルーティングは以下の順で行われます:

  1. 書類選考
  2. 電話面接
  3. 面接

前回ではこのうち書類選考についてお話しましたので、今回は引き続いて、書類選考の次のステップである、電話面接、そして、面接についてお話しましょう。


その前に一点。これらステップの間に応募者と私との間で電子メールが何回か交わされるわけですが、これを通じて、迅速かつ効果的なコミュニケーションができるか、責任感のある態度が取れるか、指示を守れるか、などといったことを読み取ります。


さて、「電話面接」ですが、我々はスカイプを利用してオンラインでレッスンを行うわけですから、通常の電話ではなく、スカイプを利用して面接します。30分~1時間程度話すことになることが多いのですが、実はその半分くらいの時間は、リンガ・エスプレッソがどのように運営されているかを説明するのに費やされます。というのは、このようなビジネス形態はまだまだ新しく、ピンと来ない人が多いからです。それを説明する文書は用意してあり、応募者にはもちろんそれを見せるのですが、しっかりと誤解なく理解してもらう必要があるので、あえて十分時間を割くようにしています。

ところで、この段階で、応募者がスカイプを使えることを確認することは非常に重要です。以前はそうしてなかったのですが、ある講師を採用後、その講師が技術的問題からスカイプ通話ができないことがわかり、結局やむを得ず私が直接出向いていって、その講師のコンピュータをいじらなくてはならなくなりました。スカイプ面接にすることで、そういった問題をこの段階で除けます。

この電話面接では、全般的な人間性や態度を推し量ったり、応募書類に関する質問をします。履歴書によいようなことを書いていても、少し突っ込んだ内容の質問をすると、ここで簡単にぼろを出します。

また、使う英語の質も判断します。教養を感じさせる、明瞭で標準的な北米英語(アメリカないしカナダ)を使えることが要件です。中には、移民で、アメリカで幼少時から育っていながら、はっきりと分かる訛りが残っている人もいます。こういうケースは今まで一例だけありました。この方は他の点では申し分なく、私としては積極的に採用したいと思っていたので、本当に泣く泣く落としました。

中には、この電話面接を軽く考えている人がいて、こういう人は当然問題外として却下されます。例えば、電話面接中に他のこと(家事など)をする人。私はこれを心底信じ難いと思うのですが、聞こえないとでも思っているのでしょうか?一般的にアメリカ人は電話マナーが悪く、電話中に断りもなく物を食べだす人もさほど珍しくありません。しかし、これはいやしくも面接なんですが…。ほとほと理解に苦しみます。あと、スカイプのコールをしなくてはならないということで、Wi-Fiが提供されているカフェからコールする人。静かならばそれでもよいのですが、周りの雑音がうるさく、とても電話面接できる状態ではありませんでした。当然却下ですが、その後、「静かな場所でないといけないという指示はなかった」などと文句を言ってきて、再度唖然とさせられました。電話面接をする上で静かな場所でないといけないという常識的判断すらできないのなら、その理由だけでも却下です。やれやれ。うんざりです。コールの第一声が、"How's it going, man?" だったのもいました。それを聞くなり、私は心の中で、「はい、さようなら」。なめすぎですって、まったく。

…すみません、かなりぼやきが入ってしまいました。


最後の面接では、私以外に講師を一人を同席させます。これは、私以外の人の判断も取り入れることで、私自身がもし何か見落としていたならそれに気づくこと、そして、応募者に講師に質問する機会を与えること、などが目的です。時間は1時間ほどです。

レッスンはオンラインで行うわけですが、この最終面接では実際に物理的に候補者に会います。これは一つには私が直接会うことで得られるフィーリング(英語でいえば "vibes")を大事にしているからです。よって、シアトルないしその近郊に住んでいることをこの職の要件としています。

この段階まで残っているような応募者は、我々がどのように教えているか興味しんしんであることが多いので、我々が使用しているテキストをこの最終面接で見せます。また、このテキストの一冊を利用して、生徒役の私を相手に模擬レッスンをしてもらい、教授テクニックを評価します。このシリーズのその3に詳しく書きましたが、我々は講師にレッスン・プランを立てられるだけの能力は要求していません。しかし、一旦それが決められたら、それを遂行できるだけの能力は必要です。ですので、これを判断します。そもそも、この最終面接まで残った人は、かなり採用の可能性が高いのですが、それでもこの模擬レッスンがあまりにひどく、落とさなくてはならなかったこともありました。

ただ、念のために断っておくと、どんな講師でも採用後、教え方のトレーニングは必ず行います。どんなに経験豊富で熟練した講師でも、改善点が何かしらあるからです。例えば、発音矯正時に、正しい発音のお手本を見せるだけではなく、あえて生徒さんの誤った発音も大げさに真似てみせることは、かなりくどく訓練しないとできるようになりません。これが彼らにとって難しいのは、それをすれば人の欠点をあげつらっているかのように感じられるという心理的障壁があるからです。しかし、教育的効果は大きく、乗り越えてもらわなければなりません。また、教室でのクラスをするのには十二分に慣れていても、オンラインで教えた経験はない、という場合も多いので、なおのことトレーニングが大事になります。

ところで、我々はオンラインで、しかもデフォルトではウェブカムを使用せずに音声のみでレッスンするわけですから、応募者の身なりにはさほど頓着しません。こぎれいであれば十分です。ここらへんは、生徒さんが講師と直接対面するカフェ英会話などとは要求が違いますね。


この回で終わらせるつもりだったのですが、実は、まだ続きがあります。次回では、我々の講師のリクルーティングに関する秘策を公開したいと思います。商売敵の皆さんはご覧にならないようお願いします。それではお楽しみに!

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