講師のリクルーティング その4

リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

今週の土曜日(日本時間)のイベント、もうくどくお知らせしなくても大丈夫ですよね?まだ参加申し込みは受け付けておりますので、奮ってご参加ください。

ところで、つい最近まで雪のことを愚痴っていましたが、今度は雨で、シアトル近隣地域では洪水が起こっています。話がドラマチックすぎて信じ難い気分です。幸い私の住むシアトル市内ではそういう問題はないようですが、なんちゅうか、勘弁して欲しいもんです。


さて、我々の講師のリクルーティングに関して、その1その2その3と書いてきましたが、今回はその4です。


我々の講師リクルーティングは以下の順で行われます:

  1. 書類選考
  2. 電話面接
  3. 面接

採用された講師にはこの後トレーニングを行います。

実は我々は最初からこの流れでやっていたのではないのですが、紆余曲折を経てこの形に落ち着きました。このシリーズを書く契機になった、某カフェ英会話会社の講師採用過程と全く同じなのが面白いですね。もっとも、人事採用のやり方としては、これは別段珍しくもない、スタンダードな方法ですので、当然の結果なのかもしれません。

ただし、もちろん細かいところでの違いはいろいろあります。今回はそれらをお話したいと思います。


まず、書類選考。最初に知っていただきたいことは、日本では標準的な履歴書の書式があり、書き入れる項目もある程度決まっています。これは文具店で入手できます。それ以上の内容が要求される場合、雇用者側が専用の書式を用意するのが普通です。一方アメリカでは、雇用主が募集通知に必要な情報を列挙しますが、その書式は必ずしも用意しません。これら情報は、履歴書を除き、カバー・レターに通常含められますが、別の書類に分ける人も中にはいます。カバー・レターもそうですが、履歴書("resume"と呼びます)もフリー・フォーマットであることが通常です。そのため、カバー・レターや履歴書をどう組み立てているかを見ることで、表面的な情報以上の情報を読み取ることができます。ところで、我々の場合電子メールで応募を受けるので、カバー・レター(相当)がメール本文で、履歴書がWordフォーマットの添付書類で、というのが標準的な応募形式です。

ここは実にアメリカ的だなぁ、と思うのですが、カバー・レターは自分を売り込む場でもありますので、皆工夫を凝らしてきます。できる人はここで、我々が提示している要件を自分がどういうふうに満たしているかをきちんと書いてきます。履歴書を見れば読み取れることでも、です。ただし、中にはセールス・トークが行き過ぎる人もいて、そういう人は逆にマイナス評価になります。

履歴書についても、できる人は応募する職種に合わせて内容を取捨選択してきます。一つには、履歴書はレターサイズ(A4より多少幅広で高さが小さい)1枚に収まることが重要とされており(ただし両面を使ってもよし)、既にある程度職歴がある人は内容を選択しないとそれに収まりようがないからです。本当に成功する人は、手間隙惜しまずに細かいところまで神経を行き届かせて全力でかかってきます。それはプロ意識の現れですから、もうその段階で高評価です。

某社は誤字について大げさに書いていますが、実は私は誤字については寛容です。履歴書で誤字があるなどもってのほか — ごもっともですが、私はスペルミス(英語では "typo")一つで有能な人材を落としてしまうことの方を恐れます。もっとも、スペルミスがそこここにあるようでは、もちろん問題外ですが。

某社では、どういうレッスンをしているか、を問うて意欲を推し量ろうとしているようですが、私はそれはこの時点では見ません。なぜなら、仮にそれを問うたところで、その返事にどの程度信憑性があるかこの時点では判断しようがないからです。私は基本的に、「なんとでもいいよるわ」、と思っていますので、こういったことは直接話をする後の段階で判断します。この段階では、必要があれば検証可能な事実のみを重視します。

我々の場合、この段階で90%以上を振り落とします。というと厳しいようですが、実は30~40%程度はそもそも全くの問題外なのです。どういうふうに問題外かというと、こちらが要求している情報を全て与えていない(これが実に多い)、明瞭な英語が使えてない、といったような理由があります。

それ以外に却下するのは、文化・言語に対する無理解さが露呈している場合です。これは実際にあった話ですが、"thorough knowledge about Asian cultures" (各種アジア文化に対する完璧な理解)がある、といった実に大それた主張をしていながら、その根拠が、「タイによく旅行するから」という、正直、なめとんのか、と思わざるをえないような、無神経にも程があることをヌケヌケと書いてきたのがいました。同じようなケースで、「アジア人が英語を学ぶ上での問題点をよく理解している」と主張しつつ、その根拠が「中国人に英語を教えことがあるから」、だというのがいました。言うまでもなく、こういうのは容赦なく即却下です。


今回で終わらせようと思っていたのですが、また長くなってしまいました。このシリーズの次回では、電話面接と面接についてお話しようと思います。お楽しみに!

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この記事へのコメント

れいこ
2009年01月10日 02:49
私はクリエイティブなほうではないのでresume作るときに苦労しました(というか友達の旦那に作ってもらいました)日本の履歴書のありがたさを感じたときですね。
まあ、アメリカ人ならではなのかなにかわかりませんが誇大表現的なことはありますわな。
「私はスペイン語が喋れる」と言って実際はスペイン語で数字を数えれるだけだったとか、そんな風なことはよく聞きますな。
2009年01月10日 07:08
そうですね、resume作りの手伝いサービスは存在しますし、人・場合によってはその価値は十分あるんじゃないかと思います。

>「私はスペイン語が喋れる」と言って実際は
> スペイン語で数字を数えれるだけ

実にありがちな話ですね。resume に限らずアメリカ人の言う「私は○○語が喋れる」は全くあてにならないと思ってます。

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