|
リンガ・エスプレッソのヤスロウです。 アメリカの大学・大学院に留学する上で、Test of English as a Foreign LanguageことTOEFLのスコアがある規定の点数を上回ることはまず間違いなく求められます(語学留学は除く)。「次世代版」とされ、近年導入されたInternet-Based TestことiBTでは、それまでになかったスピーキングが加えられました。 リンガ・エスプレッソは、基本的には英語会話(ビジネス英語も含めて)が主たる守備範囲なのですが、TOEFL iBTのスピーキング対策も行っています。この記事では、今までの経験から、受験生の立場からTOEFL iBTのスピーキング対策に関してどういった難しさがあるかについて述べてみようと思います。 スピーキング対策で特に難しいと思うのは、受験者が自分で自分の問題点を認識するのが難しい、ということです。何ごとについても広くあてはまることですが、問題点が認識できなければ、それを克服することができません。 本番の試験や模擬試験において、普通、正解・不正解がはっきり分かり、なぜ自分の得点がそうなったのかわかります。しかし、スピーキングに関しては、結果の点数が与えられるだけで、なぜそういう点数になったかという理由については大雑把な定性的な評価が与えられるだけです。具体的な、「○○の発音が悪かったから」、「△△という表現が正しくなかったから」、「□□という構成がよくなかったから」、というふうなフィードバックがあるわけではありません。 ライティングに関しても同じ問題がありますが、ライティングについては自分の解答を再度書き起こして、他の人に意見を乞うことがまだ比較的容易です。スピーキングについても、同じことをできないわけではありませんが、きちんと判断できるためには、書き起こすだけでは不十分で、自分で実際に声で答えてそれを録音する必要があるので、その分煩雑になってしまいます。 そのため、MixiのTOEFL関係のコミュニティーを眺めていても、スピーキングの点数が悪いのだけれど、なぜだかわからない、といった記事が定期的に投稿されているのを目にします。 もちろん、一人一人によってその理由は異なるはずですが、一般的に見落とされがちの原因が二つ考えられます。 その最初が発音です。私の経験上、多くのTOEFL受験生が自分の発音の悪さを認識していません。いかに英語としてちゃんとした文を生成できていても、発音が悪ければ、そもそも伝わりません。このことは以前、「英語は独学で学ぶべきか?」にも書きましたね。 TOEFLの実施機関のETSはスピーキングの採点基準を公表しています。例えば4点満点のうちの3点が得られるため、delivery(訳しにくい言葉ですが、「話しぶり」とでもしておきましょう)が満たすべき条件として以下のように書いています:
つまり逆に言うと、発音、イントネーションが悪ければ、あるいは、聞く側が意図してがんばって聴く必要があれば、それは減点の対象になる、ということです。 ただし、それについて客観的・定量的な判断基準は提示されておらず、必然的結果として主観が入り込む余地が大きいように思われます。 上の私の過去の記事中で例に挙げた方は、私がほとんど聞き取れないほど日本語訛りが強かったのにも関わらず、その後そこそこの得点を達成したとのことです。「その後」なのでその間に上達した可能性もあるにしろ、訛りに対する採点基準にぶれがあるような気がしてなりません。というのは、聞く側がその特定の訛りにあらかじめ慣れているかどうかで、聴き取りが大幅に変わってくるからです。 TOEFLの実施機関であるETSは、採点の公平さを保つためいろいろな努力を払っているはずです。しかし、潜在的には母国語の数だけある訛りを、採点官全てにあらかじめ平等になるよう慣れさせる— あるい逆に慣れてないようにする —というのは非現実的で、そこまでやっているとはちょっと考えにくいです。したがって、受験生から見て採点官の当たり・外れは、スピーキングに関してはあるのではないかと私は考えています。 また、スピーキングは一旦各問4点満点で採点し、6問で計24点満点になります。これをあとで(等比的に)換算して、30点満点とします。結果的に6問で30点満点になるので、各問5点満点だと思っている人が多いようですが、これは不正確な理解です。一緒じゃん、と思う人も多いでしょうが、この差は意外と大きな意味を持っています。 何か基準に満たなくて減点されると、4点満点だとその減点幅は一つごとに 25% という大きな幅になるということです。もし5点満点なら、減点幅は20%です。小さな差に見えるかもしれませんが、2点減点されると、そこでもう10%の差になる上、4点満点だともうその段階で半分しか得点できてないことになり、 「できたつもりなのに得点が思ったより悪かった」という場合、これが原因になっている場合も多いのではないかと推測されます。 しっかりした英語力を持つ人でも、意外と足を引っ張られるのが、最初の2問のindependent taskです。おそらく出題形式をデザインした側としては後の4問のintegrated taskより簡単と考えているのではないかと思われますが、自分が普段から興味を持っていないトピックについて意見を求められた場合、頭が真っ白になってしまうこともありえます。 リンガ・エスプレッソの生徒さんで、TOEFL受験に関する著書もあるいわばTOEFLのプロの方がおられたのですが、この方はやはりさすがで、この危険性をよく認識されており、independent taskを特に重点的にわれわれと訓練されていました。 最後に余談です。最近このブログのアクセス統計を見ていて気づいてのですが、「イギリス人の歯並びと鳥肌」の参照数がなんと、もうすぐ700に届きそうな勢いです。通常の記事だと100に到達すればよい方なので、この数字は尋常ではありません。この記事はPaul PottsがBritain's Got Talentに初登場したときのトランスクリプトもつけており、Paul Potts関係の他のブログでも宣伝したので、それ目当ての方が多いのでしょう。 この記事以外で今まで人気があったものはというと、「単語集の選び方・作り方 1/2」が参照数ほぼ500、「聴解力強化法」が400強、「"How Are You?"の答え方」が300強、と続きます。 実はこれらはいずれもMixiの英語関係コミュの私の投稿中で触れたもので、Mixiの影響力の強さを感じさせます。 |
| << 前記事(2008/01/18) | トップへ | 後記事(2008/01/24)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/01/18) | トップへ | 後記事(2008/01/24)>> |