リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記

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zoom RSS アメリカ人のアーティスト観

<<   作成日時 : 2008/12/08 00:34   >>

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リンガ・エスプレッソのヤスロウです。


実は私はここシアトルのコミュニティー・カレッジでアートの勉強をしたことがあります。Academic program ではなく、vocational program でしたが、きちんと課程を修了しました。ローカルですが、審査付きの美術展にも何度か審査を通って作品を展示しましたし、在米アーティストを紹介するアート本にも作品が一点採録されました。そういった経験を踏まえて、アメリカ人がアーティストをどのように見ているかについてお話したいと思います。なお、ミュージシャンも広くアーティストに含められますが、ここでは日本語で言う美術の分野のアーティストに限ります。


最初に、アメリカ人の話をする前に、まず日本人はどうかを考えてみましょう。日本人は「アーティスト」と聞くと、どういうことを連想しますか?既にその分野で名をなしているのでもなければ、「貧乏」、「生活が不安定」、「将来性が不安」、「言動がエキセントリック」、…などなど、と、かなり否定的な連想が続くのが普通ではないでしょうか?

実はこれらはアメリカ人にも共通しています。共通しているばかりか、こういった連想はある程度は現実を反映していると言えます。しかし、日本人がまず連想しないことで、アメリカ人が最初に連想することがあります。それはなんでしょう?

それは、「かっこいい」ということです。そうなんです、アメリカでは、アーティストはかっこいいのです。これは我々にとっては意外なことではないでしょうか?


それではこれに関して、私が実際に経験したことをいくつかお話しましょう。

まず、まだ私がアートの勉強を始めたばかりの頃、どういう契機だったのかは思い出せないのですが、私のドローイング/陶芸/彫刻の先生と、なぜアーティストになるのか、という話題になりました。彼が、私が考えやすいようにと、いろいろ私に質問してくれたのですが、その最初の質問が、「アーティストはかっこいいから、アーティストになりたいのか?」でした。ところが、当時の私の頭には、アーティスト=かっこいい、という図式は全くなかったので、正直、なにわけわからんこといっとんの?、と思いました。

時は少し流れて、絵画や彫刻でそれなりの完成度の作品ができるようになった頃です。カレッジで年に一度開かれる学生による芸術展に、自分の作品を何点か出品しました。その当時彫刻のクラスを取っていたのですが、そのクラスメートの一人の女の子が、この芸術展で私の作品を見てから、私に対する態度が大幅に変わり、私の作品製作に急に協力的になりました。彼女に対して別段何かしたわけではなかったので、私は驚きました。もちろん、不満はなかったですが。おそらく、「アーティスト」として認めてもらえたからなんだと思っています。

そして、最後はつい最近の話で、この記事を書く契機となった事件です。私が通うジムで、芸術作品を掲示する小さな掲示板が最近設けられました。掲示する作品を募集していたので、私が唯一仕事として以来を受けて作成したポートレートの縮小写真を出しました。これが貼り出された後はじめてジムに行ったときには、帰ろうとしていたらスタッフに引き止められ、そのポートレートについていろいろ質問されました。答えていたら、他のスタッフ二人も、仕事そっちのけで真剣に聞き入っているのに気づきました。ジムが閉まる直前で忙しい時間帯であったにも関わらず、です。そういうふうに注目を集めることは平素全くないので、大変驚きました。これで、「妙なことばかりをしている変な日本人」から印象がアップグレードされたのならよいのですが。

他のいい具体的な話がなかったので、手前味噌な話に終始してしまいましたが、アメリカ人一般がアーティストを妙にあがめる傾向にあることは、なんとなくおわかりいただけたのではないかと思います。


長くなってしまったので、今回はここまでにしたいと思いますが、いつか機会があれば、アメリカ人がアートにどうアプローチするか、や、ここシアトルがなぜ一部アーティストに住みやすい場所か、などについても書きたいと思います。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
最近私はBonesというFOXのテレビ番組を
見ているんですが、そこに出てくるアンジェラが
頭蓋骨から似顔絵を作成する事ができる
「アーティスト」という役です。

彼女の役柄も「かっこいい」と描写されてるような
気がします。納得です。

でも、今回の記事は比較的短かったんじゃないでしょうか(笑)
yotarou
2008/12/08 18:37
yotarouさん、コメントどうもありがとうございます。そうなんです、今回はちょっと意識して短くしました。いつもついつい長くしてしまいがちなので。

Bonesが日本で見られるんですね。主演男優のDavid Boreanaz(Booth役)は、かつて、Buffy the Vampire Slayer とそのスピンオフの Angel という番組で、Angel という名前のバンパイヤ役をやっていたので、Bonesが出ているのを見ていても、いつか変身するんじゃないか、と妄想してしまいます。…するわけないですけど。

特に人の頭のスカルプチャを作る彫刻家は顔の表情筋がどういうふうに表情を作るかまで研究します。私もそういう本を一冊持ってますよ。
ヤスロウ
2008/12/08 19:10
お久し振りです、久し振りだったのに・・興味のあるお話でしたのに、今回のは短いです〜(あれ?もうオシマイ???)続編お待ちしております。

 友人(アメリカ人)に、私の料理を見ても、手芸・いたずら書きを見ても「君はアーティストだね!」っと言ってくれる人がいますが、褒め言葉だったのかも? 喜んでいいのかな?
yellow
2008/12/08 23:30
ご無沙汰してます、yellowさん。

え、短いですか?世間一般のブログの平均的記事量に比べると、これでも倍近くあるんじゃないかと思うのですが…。難しいですねぇ。日頃から、長すぎる!とおっしゃる方もおられんですよ。

> 喜んでいいのかな?

彼らは誉めるのが非常にうまいですね。それは、それが人間関係の成立させるうえで欠かせない一部だと思ってるからです。いいように聞こえるかもしれませんが、裏返すと、そうしないと維持できないようなひ弱なものである、ということを前提としているということです。…ということを理解して、額面通り受け取らないようにする限り、よいと思いますよ。
ヤスロウ
2008/12/09 08:08
ヤスロウさん、こんにちは。

アートの話とは関係ないので申し訳ないのですが、↑のコメントがAgent Boothの話題だったもので思わずコメントしてしまいました。Angelの頃から大好きなんですよ。

最近でこそ慣れましたがSeason1の頃はおでこのあたりが突起してきそうなイメージがありました。どちらの役もマジメでイタイところが、いいですね。

ところでDr. Brennan役の彼女の英語はどういうわけか、すごく聞き取りにくいといつも感じています。ヤスロウさんは、何か心当たりがありますか?
Fumika
2008/12/09 09:19
実は、BuffyもAngelもBonesも、きちんと見たことがないんです。TVをつけっぱなしにしていることはあるんですが…。というわけで、その女優の英語についてはちょっとわかりません。ですが、今度機会があったら注意して聞いてみますね。

ところで、Fumikaさんは、私の存じ上げているFumikaさんですか?コメントどうもありがとうございます。これからどしどしコメントしてください。
ヤスロウ
2008/12/09 09:27
アメリカ人のアニメオタク観についても記事をお願いします。
こういち
2008/12/09 10:33
う〜ん、残念ながらアニメオタクについては私はとんと知らないんですよ。一般的に "lame" だと思われているのは間違いないですけど、それ以上は私はわからないです。ごめんなさい。
ヤスロウ
2008/12/09 10:44

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