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zoom RSS 豚インフルエンザに関する表現 その1

<<   作成日時 : 2009/10/23 06:25   >>

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リンガ・エスプレッソのヤスロウです。

皆さんお元気でしょうか?私はまだ風邪が抜けきらず、すっきりしない状態です。私にこれを移したと思われる友人は、もうとうに回復したものと思っていたら、その後悪化して気管支炎に至ってしまったそうです。私もそうなってしまわないよう、無難に、無難にいきたいと思います。

そんなわけで、なかなか仕事に集中できないので、ブログ記事がたくさん書けてしまいました。:) 塞翁が馬というか、何と言うか、いやはや。というわけで、また新しい記事をお届けします。


さて、豚インフルエンザが世界的に大流行するかもしれない、という予測に戦々恐々としているのは日本もアメリカも変わりありません。この記事では、豚インフルエンザに関する英語でのニュースや記事などで耳にする、あるいは目にする可能性の高い語や表現をいくつかご紹介したいと思います。それだけではなく、単に私が面白いと思っている表現もおいおいご紹介していこうと思っていますが、まぁそれはええやないですか(なんで関西弁?)。


» swine flu — しょっぱなはやはり「豚インフルエンザ」を意味するこの語。豚肉から豚インフルエンザが感染するという風評被害を懸念した豚肉業界がこの語の使用を控えるよう要請したのにも関わらず、メディアでこの語の使用が抑えられている様子は全くありません。"H1N1 flu"が替わりに使われることを期待された(かつ学術的に正確な)表現です。使われていますが、"swine flu"の方が圧倒的によく使われています。

「豚」といえば、我々の頭にはまず"pig"という言葉が浮かぶはずですが、"swine"も使われます。「猫に小判」、「馬の耳に念仏」、といった諺に相当する、"(Cast not) pearls before swine" (「豚に真珠」)という表現にも使われていますね。

豚というと、「豚もおだてりゃ木に登る」なんて言いますが、これはどう英語にするとピッタリきますかね?ひょっとして、これは関西ローカルの表現でしょうか?


» pandemic — この、我々が恐れている「世界規模での大流行」を指すのがこの語です。世界規模に至らない場合は、epidemicとなります。例を上げると、2003年に中国を中心に流行した重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome)ことSARSは、pandemicになる恐れがあったもののならなかったです。Pandemic, epidemicとも名詞としても形容詞としても使われます。

これら二語は似通った語源を持ち、どちらも後半にpeopleの意のdēmosというギリシャ語が入っています。Democracy, demographyというような英単語にも入っているので、既にお馴染みではないでしょうか。さて、そうするとこれら二語の意味を分けているのは前半ということになります。pan-が"all"の意であり(panoramaを思い出してください)、epi-が"upon, among"の意であることが分かれば(地震の震源の意のepicenterにも含まれています)、pandemicは「全ての人々」についての話で、epidemicが「(一つの)人々の間」の話であると理解でき、二語の意味の違いがなんとなくご納得頂けるのではないでしょうか?

Pandemicやepidemicのような意味が厳密に定義されてないものの、同様な文脈で使われる語がoutbreakです。この語は感染症についてのみ使われる語ではなく、何か重大なことが勃発することを意味します。この「何か重大なこと」とは、戦争や紛争の場合もありますし、伝染病の流行の場合もあります。個人レベルでヘルペス(疱疹)が発症する場合もoutbreakです。ヘルペス(herpes)については機会があったら性病に関してお話するときに触れましょう。

実は、endemicという語もあり、この語も上記pandemic, epidemicと同様の語源なのですが、en-が"in, within"の意味であることを加味しても、epidemicとの意味の差は語源だけからははっきりしません。ウィキペディアの「伝染病」の項にはこれら三者の区別の説明があります。 Wikipedia の説明によると、特定の地域で、感染症が定常状態になっているとき、endemicであると呼ぶようです。定常状態とは、罹患率が一定であるか、流行の周期が一定である場合を指します。

医療情報について定評のあるWebMDにpandemic, epidemicなどについて詳しい説明が出ているので興味のある方はどうぞ。


既に長くなってしまったので、「単に私が面白いと思っている表現」は今回は含められませんでした。何かご希望の表現などがあれば、コメント等でお知らせください。

それでは次回をお楽しみに!

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豚インフルエンザに関する表現 その2
リンガ・エスプレッソのヤスロウです。皆さんおげんきでしょか?私はや〜〜〜っと体調がほぼ平常に戻ってホッとしています。さて今回は、「豚インフルエンザに関する表現 その1」に引き続き第二弾をお届けしましょうj。 &raquo; hand sanitizer &mdash; "Hand sanitizer"と言えば、文字通りには「手の消毒剤」ですが、この語を使うときは、通常は水でゆすぎ落とす必要のないジェル状のものを指します。日本では「消毒・除菌用ジェル」と一般的に呼ばれているようです。では、... ...続きを見る
リンガ・エスプレッソ何でも係の奮闘記
2009/11/04 05:20

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
大丈夫ですか? 
 こんな時一人暮らしは心配です・・
調子が悪くてブログ書いていただけるなら、こちらには有難いのですが、喜ぶべきでもないような・・(笑)
いつもながら、興味深く読ませていただきました、Y様の独演を一晩中聞いていたい気もします(ご迷惑でしょうが・・笑)

 最近「INTO THE WILD」を観てショックを受け、「FISTULA」なる今までしらなかった悲惨な言葉を知るに至り、眉間のしわがとれません。
世の中にはまだまだ私など知らない病気が沢山あるなか、ここにいられる事を有難くさえ思います。

 話は逸れましたが、pan-/epi-楽しく学習できました、私のまわりの外人さんは、私が「swine flu」と言うのに、「pig flu」と分りやすい方をつかってました、日本人相手だからでしょうか?
Yさまにはこれからも興味深い、奥の深いお話お願いいたします。
 おかゆさん+チキンスープで・・
 まずは、ご自愛専一に・・
yellow
2009/10/23 10:21
Yellowさん、温かいお言葉ありがとうございます。なかなか思うように体調が回復しないのは歯がゆいのですが、とはいえ全く動けない状態というわけでもなく、きちんと食事もできている状態ですので、そう遠くない時期に回復すると思います。

アメリカ人が"pig flu"というのは聞いたことがないですね。日本にいる「外人」さんは、そもそも英語のネイティブ・スピーカであるという保証があるわけではないですし、日本の事情に順応して生きているのでしょうから、英語のインフォーマントとしては必ずしも信頼できないかもしれません。

"In to the Wild"とは全く初耳でした。そんな本やそれをベースにした映画があったんですね。

こういうブログ記事を書くのは決して嫌ではないんです。どちらかというと好きな方なのですが、やはり中途半端なことは書けない、という気負いがあって、それがかえってなかなか定期更新できない理由です。

もう一つの大きな理由は、まとめ上げるのが大変ということですね。ネタ自身はゴマンとあって、それに困ることは全くありません。ただ、自己満足で終わらないよう、皆さんが分かりやすいように画像を探したりビデオを探したり、あるいは、内容を確認するためにいろいろ読み漁ったりしていると、時間がどんどん過ぎ、内容が拡散してしまう傾向があります。それをグッとこらえて、エイヤッとまとめるところで苦労するわけです。

ま、突き詰めると、克己心の問題なんですけどね。(^^;;
ヤスロウ
2009/10/23 11:52

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